2016年10月・
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女性が政治的戦略や人質として扱われていた戦国時代に明智光秀の娘として生まれ、細川忠興に異常なまでの執着心を持たせたガラシャ。 両親から愛情深く育てられた少女時代、忠興を夢中にさせた美貌、本能寺の変の後、不安の中で暮らした様子など、周囲の状況で生き方が大きく変わる当時の女性の様子に胸が詰まるようでした。 印象に残ったのは、キリスト教に出会ってから、自分自身の傲慢さや周りを見下していた態度に気がつき、慈愛の心で満たされていくプロセスです。 姫として生まれ育ち、嫁ぎ先でも夫の愛情を受け、周りから美しさを讃えられる中で、侍女たちとは「主人ー仕える人」という人間関係が出来上がってしまいます。 その中で、自分のわがままや傲慢さに自分で気づいて、侍女たちへの接し方を変えるというのはなかなかできないことだと思うのです。 自分を束縛し、側室まで作った夫・忠興に対してもより甲斐甲斐しく接しています。 この時代、神を信じて自分のあり方を確認するというのが、心の平穏を守る方法だったのかもしれません。 強く切ない生き方でした。 平和な時代に生まれた幸せを改めて感じます。 ・
勇気を持って生きているか 文中に「勇気」「勇者」という言葉が繰り返されて 「勇気を持って生きているか?」 「勇気出して踏み出したらいいやん」 と語りかけられるようでした。 印象に残った一文が ”この世に「運命」というものがあるとすれば、その別名を「魔法」と呼んでもよいのではないか。” 勇気を持って踏み出した人に神様が魔法をかけてくれるような気がします。 衝撃的だったのが私たちがぬくぬくと過ごしてきた時代に、隣国では非人道的な毎日があったこと。色んなことを考えさせられる内容でした。 ・
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